こんにちは! makkii (@ei_pro_makkii) です。
「国名」は普通、固有名詞なので、冠詞 “The” を必要としません。
しかし、世の中には “The” をつける国名が存在します!...という簡単なお話です。肩の力を抜いて気楽に読んでください。
世界には197ほどの数の国がありますが、そのうち英語名(通称)が “The” から始まる国はほとんどありません。
それもそのはず、英語では原則固有名詞には “The” などの冠詞をつけないことになっているため、“The” は必要ないはずですよね。
むしろ、“The” をつけた方が「間違ってんじゃん」って、笑われてしまいそうです。
しかし、世界は広し、世の中には “The” を正式名称としてつける国が2つあります。
それは、ガンビア共和国(Republic of The Gambia)とバハマ国(Commonwealth of The Bahamas)です。
「そもそもガンビアってどこなの?」っていう方が多いだろうと思いますので、説明を加えておきますね。
ガンビアは、アフリカ大陸の西の端っこ、セネガルに三方、大西洋に一方を囲まれた細長い国です。
ギリギリ enclave ではありませんが、ほとんど enclave と言っても良いほど、セネガルに囲まれています。不思議な地割りですね。
※ enclave とは何ぞやという方はこちらをご覧ください。
さて、ガンビアの国名についてですが、ある特定の時期に作られた地図帳や記事では「ガンビア・イスラム共和国」と表記されていることがありますが、
現在ではイスラム共和制ではないため、「ガンビア共和国」が正しい名称です。
そして、これの英語名は、Republic of The Gambia になります。
通常、固有名詞化した語句の中に含まれる冠詞や接続詞は「大文字」で始めず、小文字のままで書きます。
例えば、The Old Man and the Sea「老人と海」では and, the は大文字にしません(※最初のTheは文の先頭のために大文字です)
The が大文字になっていることから、ショートハンドの国名は The Gambia だということが分かりますね~
正式名称で定められているので、文法ミスというわけではありませんよ!
もう一つの “The” つき国名はバハマです。
バハマは、フロリダ半島の南東、キューバの北らへんに弧状に存在する島国です。
日本語名では単に「バハマ国」と呼ばれていますが、英語名では Commonwealth of The Bahamas が正式名称です。こちらも、The が大文字になっており、The Bahamas がバハマの通称になります。
Commonwealth とは、イギリス帝国に端を発する連合体のことです。オーストラリア、インド、カナダなども加盟しています。オーストラリアも英語で Commonwealth of Australia といいますよね。
というわけで、固有名詞なのに “The” がつくという話でした。本当なら、なぜ “The” がつくのかという所まで迫りたかったのですが、ごめんなさい、それはできませんでした。Etymology(語源学)の専門家にお譲りします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!